星占いやタロット、四柱推命など、私たちの身近にはさまざまな占いがあります。
その歴史をたどると、古代の人々が天体や自然の兆しを読み、これから起こることを知ろうとしていた時代へとつながります。
この記事では、古代文明から西洋と東洋での発展、日本への広がり、そして現代まで、占いと人々の暮らしの関わりを紹介します。
占いはなぜ生まれたのか
占いがいつ、どこで始まったのかを、正確に特定することは難しいとされています。
文字に残されなかった習慣や、口伝えで受け継がれた方法もあり、現在確認できる記録が、そのまま占いの始まりを示すわけではありません。
占いが必要とされた背景の一つには、先の見えない出来事について、判断の手がかりを得たいという思いがあったと考えられます。
雨は降るのか、作物は実るのか、大きな行動を起こしてよいのかといった問いは、暮らしや国の運営に関わるものでした。
古代メソポタミアでは、天や地に現れるさまざまな出来事を神々からの兆しとして受け止め、その意味を読み解こうとしていました。
当時の人々の気持ちをすべて知ることはできませんが、残された記録からは、占いを通して先のことを知り、備えようとした姿がうかがえます。
古代文明で行われていた占い
古代の占いを知る手がかりとして、メソポタミアの粘土板や、中国の甲骨に残された記録があります。
メソポタミアでは、月食などの天体現象を、国や王の行く末と結びつけて読み解いていました。
天体だけでなく、動物の内臓の形などから兆しを読み取る方法もありました。
一方、中国の殷の時代には、亀の甲羅や牛の肩甲骨を使った占いが行われていました。
熱を加えたときにできるひび割れを読み、問いへの答えを求める方法で、甲骨占いと呼ばれています。
甲骨には王家が占った事柄などが刻まれており、古代の占いを伝える資料になっています。
今の占いとは道具や方法が違っていても、目の前の出来事をどう受け止め、次の行動をどうするかを考えるために使われていたことがわかります。
西洋で発展した占い
西洋占星術の源流の一つは、古代メソポタミアで発展した、天体の兆しを読む占いにあります。
その知識は周辺の地域へ広がり、ギリシャ語圏などでも受け継がれていきました。
その後、中世のイスラム世界でも占星術は研究され、天文学と深く関わる知識として扱われていました。
当時は、天体の動きを調べることと、その動きが人間の世界に持つ意味を考えることが、今よりも近い関係にありました。
こうした地域や時代を越えた蓄積が、現在の西洋占星術へとつながっています。
西洋の占いとして親しまれているタロットには、占星術とは異なる歩みがあります。
タロットは、15世紀のイタリアではカードゲームとして楽しまれていました。
後の時代にカードの絵柄へ象徴的な意味を読み込む使い方が広がり、占いや神秘思想との結びつきが強くなっていきました。
現在はどちらも身近な占いですが、それぞれ違う背景から受け継がれてきたものです。
中国を中心に発展した東洋の占い
中国では、古くからの占いに加え、自然や物事の変化を捉える思想が発展しました。
代表的なものが、陰陽と五行です。
陰陽は物事を陰と陽の二つの性質から捉える考え方で、五行は木・火・土・金・水の五つを通して自然や物事を捉える考え方です。
これらはやがて陰陽五行説として結びつき、干支や暦、日や方位の吉凶とも関わるようになりました。
陰陽五行や干支は、生まれた年・月・日・時をもとに人の性質や運勢を読み解く四柱推命などでも、土台となる考え方です。
また、物事の変化を卦という記号で表して読み解く易なども、中国で受け継がれてきました。
こうした中国由来の知識は、朝鮮半島を含む東アジアの文化とも関わりながら広がっていきました。
日本への暦の伝来にも朝鮮半島が関わり、百済から暦法や天文に関する知識がもたらされています。
日本へ伝わり暮らしに根づいた占い
日本では、中国から伝わった陰陽五行や易などの知識をもとに、陰陽道が形作られました。
古代の国家には陰陽寮という役所が置かれ、暦や天文、占いに関わる知識が扱われていました。
やがて、日時や方位の吉凶を判断することなどを通して、貴族の暮らしにも深く関わるようになりました。
暦には日や方位の吉凶も記され、移動や婚姻など、生活の中の行動を考える手がかりになっていました。
近代になると、西洋の占いも加わります。
明治時代以降には西洋の星占いなどが紹介され、戦後の1960年代から70年代にかけて、西洋占星術やタロットが広く親しまれるようになりました。
日本では、以前から受け継がれてきた東洋の占いと、西洋から伝わった占いが並び、さまざまな方法に触れられるようになったのです。
現代まで形を変えながら続く占い

本や雑誌の広がりは、占いとの距離をさらに近づけました。
占い師に見てもらうだけでなく、雑誌で自分の運勢を読んだり、入門書を使って占いを学んだりする機会が増えていきました。
戦後には占いの入門書がベストセラーになり、1979年には占い雑誌『My Birthday』も創刊されています。
インターネットが普及すると、占いの情報を調べたり、WEB上で運勢を読んだりすることも身近になりました。
さらに、メールやチャット、ビデオ通話などを通して、離れた場所にいる占い師から鑑定を受けることもできるようになりました。
近年では、占いに関する知識を学習し、その用語や考え方を扱うAIも登場しています。
私は、これから占いとAIの関わりは、さらに深まっていくと考えています。
そのうえで、自分のことを個別に相談する際には、占術をしっかりと学び、身につけた占い師に見てもらうことを大切にしたいと思っています。
自然の兆しを読む方法から、暦や書物、そしてオンラインへと、占いへの触れ方は変化してきました。
その歩みをたどると、占いが人々の暮らしと関わりながら、これからを考える手がかりとして受け継がれてきたことが見えてきますね。
